嘉義高中(高校)で出された英語のテストの問題が話題になっています。

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日本の英語のテストでもおなじみの、空欄の部分に適切な単語を選ばせる問題です。

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答えはD. commnetsですから、参考までに全文を訳してみると「蔡英文総統はスピーチで愚かなコメントをした」となります。


国立の高校の試験問題で、「国家の総統」に対して、silly(愚かな)なんて用語を使うのは、教育的に宜しくないですよね。

更に、President Tsai-enbilishitという名前表記にいたっては、これって正しい英語なんですかね?

こんな使い方は初めて見ましたが、蔡総統の「英文」というファーストネームの部分を発音で表記することなく、漢字の意味である「english」に変換し、更に「shit(くそ)」なんて汚い言葉と合成しています。私は台湾人ではありませんが、これはかなり不快なテストですねえ。ちなみに蔡英文の正しい英語表記は、Tsai Ing-wenです。


このテストを作成したのは50歳台の英語教育歴は20年以上の経験豊富な教師です。教師は今回の件に関するインタビューで「テストが固くて面白くなくなることを避けるため、一番思い浮かびやすい政治家を登場させた。公人と言えども言っていることが何時も正しいとは限らないとの指摘の意味もある。アメリカのトランプ大統領も常に愚かなコメントしていますしね」と答えています。

言論の自由もあるし、この先生の信念もわかりますが、悪い事例でワザワザ自分の国の総統を使わないといけない必要性は全く感じられないので、不適切な問題だったと判断せざる得ません。

嘉義地検の主任検察官は、「新聞報道を少し見た限りでは、本件は法律的な問題はない。刑法の侮辱罪について、本人が訴えない限り検察が主体的に動くことはない。」とコメントしています。

さて、蔡英文総統の動きはどうでしょうか。FB上でコメントしています。


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Comment是一個常在新聞英文中出現的詞彙,提供例句給各位同學參考Commentは新聞でよく使われる英語の語彙です。各学生の参考までに例文を提示しておきます)」


名詞的用法(名詞としての用法
President Tsai Ing-wen rejects Beijing leader’s unfriendly comments.
蔡英文總統拒絕北京領導人不友善的言論。
蔡英文総統は北京の指導者の非友好的な言論を拒否した


動詞的用法(動詞としての用法
As there is no censorship in Taiwan, Brother Caramel can freely comment on public affairs.
台灣沒有審查制度,焦糖哥哥可以自由地評論各種公共議題。
台湾には検閲の制度がない。従ってキャラメルブラザーは公共の議題に対して自由に評論できる

這樣大家都學會了嗎?(これなら皆さんは良く学べましたか?



蔡英文総統はアメリカにもイギリスにも留学しているので英語には自信あるようで、懐の広い切り返しを見せていますね。

個人的には「アッパレ!」と思いましたが、今回の騒動の中心となる舞台は高校なので、これまた政治的過ぎる例文は「おおむね賛成だが、詳細については?」と賛否両論あるかなあとも感じました。



最初の例文は一目瞭然で、中国の指導者を批判したものです。

2つ目の例文の「Brother Caramel」は意味不明なので調べてみました。英語の辞書を見ても、キャラメルはキャラメルで、特に別の意味は無さそうでした。

ネットで調べまくった結果、どうやらこれは英語起源の言葉ではなくて、「焦糖哥哥」という中国語が先にあり、それを総統が「Brother Caramel」と英語に訳したようです。

台湾には焦糖哥哥」という名前の芸能人がいて、他の人が発表する新書の推薦文を彼が書いたそうですが、中国側から圧力がかかり、彼の推薦文は削除して発売されたという事件が発生し、焦糖哥哥が自身のFB上で顛末の説明と批判する文章を発表していた事を、総統は例文として指摘していたようです



それでは動画もご覧ください。