中国の重慶で、長江にかかる橋から路線バスが制御不能になり川に墜落したニュースは先日日本でも報道されていたのでご存知の方も多いと思います。

川に沈んだバスが引き上げられ、車載カメラの録画映像から墜落原因が判明したと本日続報がありました。原因は、バス停を乗り過ごしたオバサンがドライバーに車を停めて降ろすように要求するも、バス停以外では降ろせないとドバイバーが拒否したために、オバサンは手に持った携帯電話で運転中のドライバーに殴りかかり、ドライバーも反撃した為に、ハンドル操作を誤って対向車線にはみ出し、そのまま勢い余って川に墜落したというのが事件の真相でした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181102-00000080-asahi-int


台湾の東森新聞のニュースでは正に両者が殴り合っている衝撃的な場面の動画もありましたのでご紹介します。

① オバサンが運転中のドライバーにスマホで殴りかかっています。

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② 今度はドライバーが反撃です。

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③ バスは制御不能となり対向車線にはみ出し、乗用車と接触。

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④ バスはそのまま川に転落。

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とりあえず動画をご覧ください。



日本の報道と台湾のニュースを見ていて、1点気になった部分がありました。

日本のニュースでは、「オバサンは、自分でバス停を乗り過ごしたくせに、運ちゃんに車を停めるように要求した」と、オバサンの不条理さが想像される内容でしたが、台湾のニュースは少し違っていました。

台湾のニュースでは、「女乘客因為司機過站未停跟司機起口角(ドライバーがバス停で車を停めなかった事が原因で、オバサンはドライバーと喧嘩した)」とあり、オバサンが乗り過ごしたのではなく、ドライバーがバス停で車を停めなかったのが最初の原因とされていました。

真相を探るために中国のニュースを検索してみました。日本のニュースと同じく「オバサンが乗り過ごした」と書かれているものも多かったですが、詳細に経緯を説明しているものもあり、その解釈は日本と台湾のニュースの両方の要素が含まれたものでした。


9时35分,乘客刘某在龙都广场四季花城站上车,其目的地为壹号家居馆站。由于道路维修改道,22路公交车不再行经壹号家居馆站。当车行至南滨公园站时,驾驶员冉某提醒到壹号家居馆的乘客在此站下车,刘某未下车。当车继续行驶途中,刘某发现车辆已过自己的目的地站,要求下车,但该处无公交车站,驾驶员冉某未停车。10时3分32秒,刘某从座位起身走到正在驾驶的冉某右后侧,靠在冉某旁边的扶手立柱上指责冉某,冉某多次转头与刘某解释、争吵,双方争执逐步升级,并相互有攻击性语言。10时8分49秒,当车行驶至万州长江二桥距南桥头348米处时,刘某右手持手机击向冉某头部右侧,10时8分50秒,冉某右手放开方向盘还击,侧身挥拳击中刘某颈部。随后,刘某再次用手机击打冉某肩部,冉某用右手格挡并抓住刘某右上臂。10时8分51秒,冉某收回右手并用右手往左侧急打方向(车辆时速为51公里),导致车辆失控向左偏离越过中心实线,与对向正常行驶的红色小轿车(车辆时速为58公里)相撞后,冲上路沿、撞断护栏坠入江中。


全訳は省略しますが、要点はこんな感じです。


1.オバサンの目的地は「1号家具館」のバス停でした。

2.道路の修理工事の関係で、この路線バスは「1号家具館」を通らないルートに変更されていました。

3.「1号家具館」に向かう乗客は「南浜公園」で下車するようにドライバーは乗客にリマインドしましたが、オバサンは「南浜公園」では下車しませんでした。

4.その後、オバサンは自分の目的地を過ぎていることに気が付き、ドライバーに停車するように要求しましたが、バス停が無かったので停める事は出来ずに走り続けました。

5.オバサンは運転席の横に立ち文句を言い続けました。ドライバーも何度も振り返って説明しましたが、収拾はつかず喧嘩に発展し、オバサンがスマホでドライバに殴りかかりました。



中国のニュースも正しいかどうか保証の限りではありませんが、少し読んだ限りでは、一番妥当な内容と思われます。当時のオバサンやドライバーの口調や具体的な発言内容等は不明なので、最終的な責任問題は確定できませんが、いずれにしてもオバサンの野蛮な態度が招いた悲劇である可能性が高いことに間違いはなさそうです。

東森新聞の動画には、今回の事件の映像以外にも、中国で発生している似たような事件の映像も紹介されていました。

自分でバスを乗り間違えたくせに、バスを停めてくれないドライバーにつかみかかる乗客や、ドライバーに絡む酔っ払い、更に運転席付近で展開される殴り合い等、日本ではあまり考えられないようなワガママな事件が中国では頻発しているようです。

日本でも、渋谷のハロウィーンの事件のようなものもあり、あまり偉そうに言えた柄ではないのかもしれませんが、敢えて言うならば「中国が更なる発展をしたいと願うのなら、国民の道徳教育が可及的速やかに対応すべき最重要課題の一つである」と言いたい。