台湾の老後資金に関するニュースがありましたのでご紹介します。

自分の将来の生活に直接影響がある日本の年金制度については興味ありませんが、こと台湾の話となると、関係ないのに興味が湧いてくるから不思議なものです。

今回のTVBS新聞のニュースのタイトルは、

「你的退休金夠嗎? 65歲退休得備千萬養老 (あなたの退職金は足りていますか? 65歳で退職、老人扶養に1000万元の貯蓄が必要)」でした。

ニュースの主旨は、

① 台湾人は貯蓄率が高い。アジアの18カ国中1位。

貯蓄の理由としては、

1.老後の準備
2.投資の為
3.海外旅行

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② 理想的な退職時の準備額は2450万元(約8900万円)と言われています。(へ~、これホンマかいね?)

但し、現実的には「熟齡族(熟年族)」の8割は年齢が来ても退職できません。

理由は、お金の準備が足りない事と、彼らの子供達の仕事が安定しないのが心配である為です。(そりゃそうでしょう。8900万円が本当だとしたら)


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それでは動画をご覧ください。




この手のニュースは背景の知識がないと今一つ内容が理解できません。生半可で気持ちが悪いので、少しネットで他の情報を調べてみました。要旨をかいつまんで説明すると、

https://tw.news.yahoo.com/%E4%B8%89%E6%98%8E%E6%B2%BB%E7%86%9F%E9%BD%A1%E5%8B%9E%E5%B7%A5%E5%A5%BD%E5%BF%83%E9%85%B8-%E7%9B%AE%E6%A8%99%E9%80%80%E4%BC%91%E9%87%912450%E8%90%AC%E5%85%83-030120347.html

1.上記の2450万元とは、「無条件で生活に心配のない退職時の準備金額は?」とのアンケートに対する回答の平均金額だそうです。「無責任に言いたい放題の金額」ではありますが、何故日本円で8900万円もの高額になったのかの理由について興味ありますね。なんでだろ?

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2.人材銀行が昨年発表した「熟齡勞工職涯規畫調查」によると、まだ退職していない「熟齡勞工(熟年労働者)」の3割近い132万人が、「月光族(毎月給料を使い果たしてしまう人達)」であり、中高年の労働者の76%は、現在の給料では足りないと感じています。

300万人を超える熟年労働者は、「上有老母、下有子女需扶養(上には年老いた親がいるし、下には扶養すべき子供がいる)」。従い、退職時には2450万元あって初めて生活に問題なくなるが、実際にその目標を達成している人は1割にも満たない。


今回は「熟齡勞工(熟年労働者)」という新しい単語を知りましたが、特に老いた両親と子供の扶養を抱える人たちは、更に「三明治熟齡勞工(サンドイッチ熟年労働者)」とも呼ばれるようです。中国語的には面白い表現ですねえ。


3.ちなみに、日本で同様なアンケートをするとどうなるのかなあ。信頼度は不明ですが、たまたまネット見つけたデータは、「理想的には5000万円、現実的には3000万円」でした。

https://city.living.jp/common/sakebi/445886


これから見る限り、台湾の人が老後に描く理想的な生活のレベルは「遥かに高い」ものであるようです。ま、これを肯定的に評価すれば、「人生に対して意欲的に頑張れる」のかも知れません。