巷では「女兒是爸爸上輩子的情人(娘とはお父さんの前世の彼女)」とも言われ、娘が嫁に行く時は、「當爸爸的心中一定是滿滿的不捨(お父さんの心中は惜しむ心で一杯)」なんです。

ある人がネットに書き込みをしました。

お父さんが「總鋪師」である女性の先生の流水席(披露宴)に参加した時の話です。

宴会のメニューは素晴らしく忘れがたいものでした。「每一道菜色都充滿新娘父親的父愛(全ての料理には父親の新婦に対する愛で満ち溢れている)」であり、彼女は「這就是前世情人給女兒最好的禮物!(これは正に前世の彼女が、娘に贈った最高のプレゼントだわ)」と唸りました。 


メニューは、タラバガニ、アワビ、刺身、イセエビは出るし、カラスミはスライスではなく、丸ごと炙ってそのままドンと出てきます。それも3本も。果物は3段重ねで、お持ち帰り用の容器まで準備されている。デザートも10種類のものから好きなものを取ればよい。 




台湾には「辦桌」という習慣があり、結婚式の宴会や廟の宴会等を外にテーブルを並べて行い、料理もその場で作って出す習慣で、その会場設営、調理道具設営、料理、撤収と最初から最後まで仕切る親方が「總鋪師」です。そりゃお父さんが「總鋪師」なら、最高の料理が出てくるのは当然ですよね。

WS001106


最近は台北のような台湾北部の都会では、宴会はホテルやレストランで行うようになり辦桌」はほとんど見られなくなったそうですが、台湾の南部では今でも辦桌」の習慣が見られることがあるそうです。私は南部に行くことが多いので、何度か参加したことがあります。

「總鋪師」と言えば、私は「祝宴! シェフ」の映画が思い浮かびます。この映画は私が大好きな台南で撮影されたものであり、主人公の娘の実家の場面の撮影は何とマルやんのビンロウ店のすぐ近くで行われました。日本でビデオレンタルでもあるはずですから、ご興味のある方は是非ご覧ください。