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今朝の一面記事です。

一昨日に台湾大学の運動場で「中國新歌聲 上海.台北音樂節」というイベントが行われましたが、それ対して「学生」や「台獨機關槍」が抗議し、中国との統一を主張する「統促黨」のメンバーが衝突し、少なくとも4件の暴力事件が発生したようです。

「台獨機關槍」と「学生」は「統促黨」のメンバーから暴力をふるわれ、警察に通報しましたが警官が来るのが遅かったと非難しています。「統促黨」は相手が先に攻撃してきたので反撃したと反論しています。一面記事の写真のイカツイ親父は「統促黨」の総裁である「張安樂」で、傘下の党員の暴力に対して「打得好!(よくやった!)」と讃辞しています。どちらが先に手を出したのか、真偽のほどは定かではありませんが、相手が怪我をしているのに、「打得好!」というのはまるでヤクザの世界ですね。

「張安樂」と聞いて、最初はピンときませんでしたが、何のことない「白狼」と呼ばれる人物の本名だったようです。「白狼」なら噂は良く耳にしますが、外省人で元竹聯幫の幹部のようですから、「ヤクザみたい」ではなく、本物のヤクザでした。

警察は、今回の事件に関し、派出所長と所員を配置移動の処分としました。内政部長も激怒し法的責任の追及を指示し、先日着任したばかりの警政署長の陳家欽は人民団体の名前を借りて人権の自由を破壊するヤクザに対して、近日中に一掃活動を開始すると語った。

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怪我をした学生

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今回の独立派と学生達の抗議の理由は、「運動場を傷つける会場設営」と「主催者の台北市台湾大学で開催との発表」の2点と言われていますが、後者が主な原因と思われます。

「台湾大学」は日本統治時代に設立された旧帝国大学が前身で、今は台湾政府が運営する台湾ナンバーワンの大学です。今回のイベントで「国立大学」と書くと、台湾の独立を認めてしまい「ひとつの中国」の原則が崩れてしまうので、共同主催の中国側の意図で「台北市台湾大学」になってしまったと推測します。

現在の台湾大学の学生は「天然独」と言われるような世代なので、この辺りに敏感に反応したようです。



尚、私は「政治的な対立」を煽る意図は全くなく、台湾で報道されている内容を「伝えたい」一心で書いています。たまたま選んだ記事で、「台湾独立」や「中国との統一」等の強く偏向した色が出てしまう危険性有りますがご容赦お願いします。今回の記事で「天然独」という新しい言葉を知りましたが、私もどちらかと言えば「天然独」には共感をおぼえます。